以上3冊は新人さん(一応上から審査結果順)で、読んでみると確かに審査結果どおりでした。
ただ「約束の〜」が心配。評価が高いのになぜ心配なのか。それは続編への展開がしにくいENDだったから。特にこの終わり方ではメインのカップルの後がない*1。それとも主人公が旅に出たのはもう一度過去に戻る手段を探すため?それとも生まれ変わりの登場?作者のテーマ(一期一会かな)的にはこのENDがいいのかもしれないけど、女王への思いを振り切ってしまう終わり方は、主人公の心情(および読者の視点)を考えれば続編にしにくい。かといって別の主人公を立てるには、この物語の主人公は「立ち」すぎていて、並みのキャラでは後を継げない。そういった意味では、今月末に出るドラゴンマガジン掲載予定の読みきりが楽しみであり怖くもあるのでした。無難なところで一緒に生きていた(主人子が女王の時代に来ていた)時のお話かな。
他の2作は人気が出れば続編がいくらでも出せそうな設定。「ご愁傷さま〜」は富士見で言えば「まぶらほ」タイプ。ただ主人公が堅物なところに好感が持てる(笑)。優柔不断でうーたらかんたらってのは、意外とストレスがたまるものだったりするのだ。「まおうと〜」はくセのある文体と会話の小ネタが評価の境目。読書経験の少ない人にとっては面白く、そうでない人には同人的な印象を与えるのでは、と思ったり。つまり(苦笑)か(笑)のどちらかしか生まないってことなんだけど、自分にとっては(苦笑)だったかな。それと主人公の女の子に、文体同様クセがありすぎて、今一好きになれないというのが欠点かも。今風の女の子ってこんな感じなのかいな?

前にも書いたけど主人公が馬鹿すぎると疲れる。それが何とかなればも少し評価が上がるんだけど最終巻。

最後の一冊は表紙買い(笑)。

*1:ヒロインは2000年前に滅んだ国の最後の女王で、主人公は現在(とはいっても中世的世界観のまま現在に至る)その国があった場所に建つ国の軍人