フライングゲット出来ると踏んで、この本を買うためだけにピンポンダッシュで会社から逃げ出し茶水へ(笑)。

ネタバレだらけでレッツゴー!
 祐巳サイド。妹候補がどんどん消えていく中、残ったのはやっぱり瞳子。でも、なんだってこの娘はこれほどまでに頑ななんだろう。もう、取り返しがつかなくなる瀬戸際まで追いつめて、ボロボロに泣き崩れ、絶対服従の状態(調教?)にしてからロザリオを授受させたい候補No.1なんですけど、ってあり得ませんが(笑)。レイニーブルー辺りで祐巳に対しとってしまった態度がネックなのかしらん?とは思っているのですが、トラウマが未発表の、もしくはこれから語られるであろうエピソードだったりすると目もあてられないのであくまで思うだけに(笑)。まあ姉妹になるにせよならないにせよ、楽しめそうな組み合わせです。
 白薔薇ファミリーは超安定。今回のお話では、乃梨子瞳子に対する友情が痛いほど伝わってきて、どうか瞳子祐巳に対する思いが、乃梨子の考えている通りでありますようにと、一心不乱にお祈り中。さすがに乃梨子の涙を無駄にするようなどんでん返しはないだろうと思ってはいるのですが、それでも念のため(笑)。しかしホントに絵になる姉妹だなあ、白薔薇組は。
 一番おかしかったのは当然黄薔薇サイド。由乃さんが終始暴走しまくり。赤薔薇姉妹の劇的な出会いを、よりにもよってあんな場所で、それも相手が中等部の娘という出鱈目なアレンジで再現してくれました。祥子さまと令さまの卒業と同時に入ってくるはずの、この妹候補。ロザリオの授受までストーリーを展開してくれるかどうかはわかりませんが、今回の話だけの登場だとしても、楽しげな未来が約束されたことは確かというわけで。うーん、上手いなあ。
 そして特筆すべきは蔦子さん。今回の彼女とは確かに縁はあったけども、元々「妹を作らずに写真を撮ることに専念する」という、傍観者的なスタイルを宣言されていたので、なおのこと意外でした。でも写真を通して彼女の人生に光を与えた時点で、すでにお姉様的な役割を果たしていたのだと今更ながらに気づけば、それはもうすんなりと、出会うべくして出会った二人だったんだなあと、嬉しくなって何度も読み返してしまいました。ここ最近の肩の力を抜いた「マリみて」も楽しいですが、やはり「姉妹制度あってこそ」な面もあるので、こういう話は純粋に嬉しいですね。
 ということで、無駄を承知で2時間半の道程を往復した甲斐がありましたこの一冊。お題に反して感動が満載ですので、是非是非手にとってくださいな。