おと×まほ(ネタバレあり)

おと×まほ (GA文庫)

おと×まほ (GA文庫)

途中までだけど、変な魔法少女アニメを見ている感じで面白いなあ。ノリ的には毒を抜いた「マジカルて」?いや、魔法少女につきもののマスコット動物が、腐女子属性なのを除けばそうでもないか。
 読み終わった感想としては、全2クールだか、4クールだかのアニメからの傑作選みたいな感じ。後書きを読む限りでは、続きがあるのならそんなに急がんでもいいのに、という読後感。でも新人だから、という視点では美味しい所取りのこの構成は正しいのかもしれない。確かに主人公の男の子が、みんなの為に魔法少女に変身して戦う事を、自分のコンプレックスと折り合いを付ける事で決心して終了、という終わりにしておけば、続いても続かなくてもそれなりの体裁が取れるのは分かるし。ただコンプレックスに関しては、少し唐突ぎみな感が合ったので、もう少し強めに”気になっているんだ”という描写が欲しかったかな。
 色々あった(笑)「暗ヤギ」もそうだけど、新人作家に対し、表紙買いを見込んだキャッチーな挿絵を当てて、最初から弱冠の人気と続刊を見越しているのなら、それなりの構成を準備しておけばいいと思うんだが、どうなんだろう(いや、商売だし、しているんだとは思うけどさ)。密度と整合性を保ちながら、1を5,5を10に引き伸ばせる引き出しがデフォで備わっている作家さんならいいんだけど...後は担当の腕次第ってヤツなのかな。
 まあ、今回の場合、ネタがネタなので、よほどでない限り着地に失敗することはあり得ないっしょ...と、そんな淡い期待(笑)を込めた★★★なのでありました。頑張れー。