ゼーガペイン12話「目覚める者たち」

 今期のアニメでは最高峰の「涼宮ハルヒの憂鬱」に匹敵する傑作と、信じて疑わないゼーガペイン*1。11話の盛り上がりが最高潮かと思いきや、12話も恐ろしいほどの盛り上がりで脱帽。忙しかったのでその日に見れず、昼休みに会社のパソコンで鑑賞するという暴挙を敢行していたのだけど、そんな状況で見ていたにも関わらず、実は目が潤んでいて、誰もいなかったら泣いてた(苦笑)、そのくらい脱帽でしたよ。年を取ると涙腺がゆるくていけませんね。
 何が泣けるのか。
 元々ゼーガペイン(ZEGAPAIN)という題には「痛み」を表すペインと言う単語が入っていますが(ZEGAは造語?接頭語?)、名は体を表すというか、本編にも色々な感情の痛みがあるのですが、ここ2話はそれが顕著なのです。
 複座のロボット兵器ゼーガペインの搭乗者である、傭兵クリスとその妻アークの最後の戦いを描いた11話を、怒りや死に立ち向かう「動」的な痛みだとすれば、覚醒し「学園生活が幻である事」を認識した幼馴染のリョーコと、覚醒せずに「既に人類が滅ぼされ、データのみの存在である現実」を知ってほしくなかった主人公のキョウが、誰もいない街*2で互いの気持ちを告白する12話のデート風景は、一見甘く、しかし根底では切なさや無常感が付きまとう「静」の痛さ。
 冒頭でリョーコが昇る朝日を見ながら「朝が来るんだ」と流す涙、前回親友のアークを失い、今回は「キョウ(リセット後)」*3のリアシートをリョーコに奪われた感のあるシズノが*4、公園で抱き上げた猫に「つきあいなさいよ」と静かに言う場面も、なんともいえない破壊力の痛さだし、リョーコの親友ミズキも、夏祭りの時にフられてから時間が経っていないにも関わらず、自分の上手くいかなかった恋心を胸に秘めてリョーコの気持ちを(内容の次元は違うけど)後押ししてあげてたり。
 このように全編にわたって清々しい青春グラフィティを描きながら、各キャラクターの心情を光も影もわけ隔てなく隅々まで描いているため、見ているこちらの感情も揺さぶられまくりです(感情移入しやすいのでなおさら)。現時点では光の方である青春真っ盛りのキョウとリョーコでさえ、人類が絶滅しているという超前提があるため、見ていて物悲しい。EDも一部差しかわり、戦闘に参加することが示唆されているリョーコが戦死しないといいんだけどなあ。DVDは予約しちゃったんで、どんな終わりでも覚悟は完了しているのですが(苦笑)。まだ半分、折り返したばかりの今から最終回が気になってしょうがないアニメであります。

*1:12話現在での評価。2クールモノだと後半ダメになることも多いので油断は出来ないのですが

*2:人も動物も全てデータなので意識して知覚から排除してしまえば風景のみにしてしまえる

*3:キョウは一度戦死してリセットされている

*4:リセット前は恋人だった。リセット前と後では姿かたちは同じでも、考え方や性格は違うものになるらしい